海斗…遅いなぁー

お姉ちゃんとなんの話をしてるんだろう…



一人自分の部屋にずっといる私は、海斗を待っていた。


パステルピンクを基調とした私の部屋。


ピンクのハートのクッションを抱きしめながらベッドに座っている。

することもないから、とりあえず、足をバタバタしていた。



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トン…トン…トン…トン…


階段を上がる音がして、待ちくたびれていた私の心がはね上がった。


「海斗だ…」


トントン…


そう呟いた私の予想は当たったらしく、数回ノックされたあと、澄みきった愛しい声がした。



「千夏?入っていいか?」

「うっ…うん!どーぞ!」



ドアが開けられたその先には海斗がいた。


嬉しかったけど、なんかとりあえず怒ってみた。



「遅いよっ海斗!」

「ごめんな?千夏。」

優しい笑顔で頭を撫でられると、怒る気なんてすっかり無くなる。
一応、私、年上なんだけど?