「海斗君…





千夏を宜しくお願いします。」



早苗さんに認められた!

立ち上がってペコリと頭を下げた早苗さんに、俺も急いで立ち上がって礼をした。



「ありがとうございます!」


早苗さんは、床に置いてあったハンドバッグを持った。


「それじゃ、私はこれから日曜出勤で会社に行くから。」



早苗さんが家を出る…………てことは。


「あの、早苗さ「まぁ、私もお母さんも夜まで帰らないし?」



まさかの展開に動揺している俺の肩をポンポンと叩いて、少し小悪魔的な笑みを向けられた。



そして、俺の耳元まで口を持ってきた早苗さんは、


「……あの子、初めてなのよ。だから…

優しくしてね?」


"初めて""優しく"なんて言葉を俺に言ったということは、どういう意味かなんて分かっている。


それでも、俺はなんて返事をすればいいかなんて分からなくて、とりあえず、


「はい。」


と無難な答え方をした。