―――――――――――――

懐かしむように腕を組み、上を見上げた早苗さん。


早苗さんに俺は、あの日に約束をした。



『海斗君が……そうね、高校生になるまで、私があの子を見守っていくわ。

ちゃんと、高校生という少し大人になった時に………あの子を任せるわ。


だから………あなたは、今をちゃんと生き抜いて、私が認めるような男になりなさい。
約束よ?』



「まさか、本当に千夏の騎士になっちゃうとは…ねぇ」

「…早苗さん。俺を認めてくれますか?」



騎士になったとしても、早苗が認めてくれるような男になっていなければ意味が無い。


緊張して、手が震える。


早苗さんは、顔を俺に向けた。
少し茶色に真っ直ぐな瞳は、俺の全てを見透かしているかのようだった。



「いくつか質問に答えてくれる?」