「うむ。
海斗君、ここに座って。」


なんかいつもと違う雰囲気のお姉ちゃんは、リビングのソファーに座り、海斗に隣に座るように指示した。


お姉ちゃん…ズルい!私も海斗の隣に座りたいっ



「あ、失礼します。」
と、海斗はお姉ちゃんの隣に座った。



海斗は、昔からお姉ちゃんに顔があがらない。
なんでかは知らないけど…
だから、お姉ちゃんの言うことは大体従っていた。



"それでも、私も海斗の隣に座りたい!"

そんな視線を送ると、リビングで突っ立っていた私に甘い笑みを向けてくれた。



「お母さん、今日、同窓会でしょ?」


海斗の顔をジロジロ見て興奮気味のお母さんに、お姉ちゃんが呆れながら言った。


「そうだったわ!
………………
じゃあ、おばさんはもう行くから、皆仲良くね。」


お母さんは鼻歌をしながら出ていった。