そうだ。まだ海斗君に返事してない。
目の前にいる海斗君が私をジッと見つめてる。


「ねぇ、千夏。なんであんなことになったの?」

「俺もそれが聞きたい」



「それは…」


私は言葉を濁した。
これを聞いたら海斗君はどう思うのだろう…
怖かった。



すると、香がハッと思い出したように立ち上がった。

「千夏…まさか…あれが原因?」

「…うん…」



香は勘が鋭いから、こういう事も分かってくれる。

「理由は分かったよ……大変だったね…

じゃあ、
私は廊下にいるからさ、話終わったら呼んで?」


香はそう気遣って、保健室を出てった。
香…ありがとう。



海斗君に言わなくちゃ、ちゃんと…
そうしなきゃ始まらないよね…


グッ…


静まり返った保健室。海斗君は私が話すのを待ってくれている。


私は手のひらを握った。