少し間を置いて、有先輩が口を開いた。



「じゃあ、その本当の千夏ちゃんというのを話してくれないかい?
そうじゃないと話が進まないから、ね?」



そうだ。言わなくちゃ!


――――それから、私は香と有先輩に過去を話した。



「………そうだったんだ。
でもね、千夏は幸せになっていいと思うんだ?

運命?上等じゃない。だってさ、その運命の人が海斗かもしれないでしょ?」


「うん。俺もそう思う。
だってさ、千夏ちゃんだって運命と感じない人と付き合ったってつまらないだろ?」



香と有先輩は優しいけどちゃんとした言葉をくれた。

でもね、もうひとつあるの………




「でも、海斗君はそんな私に幻滅しませんか?
しかも、今まで私は海斗君を弟みたいな存在として接していたから、どうしていいか分からない………」


私が一気に言い終わると、有先輩は少し考えた表情をした