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カフェに入った私たちは、新人なのか分からない店員に案内された席に座った。


「ちゅっ…注文がお決まりでしたら、ぉお呼び下さいっ!」


そういって店員は去っていった。



私の前には、香と有先輩が座っている。

わざわざ先輩は香と私のために委員会を休んでくれた。


「香、有先輩。今日はごめんなさい。急に…」

私はペコリと頭を下げた。



「大丈夫だって!千夏。困った時はお互い様!」

「そうだよ千夏ちゃん。俺に出来ることがあれば力になれると思うし。」



なんて良い人たちなんだろう…
私が感動していると、

「じゃあ、サクッと本題に入りましょ」


香が口を開いた。


「千夏はさ、海斗の事が好き?」


「…うん。」



海斗君の事は好きだと思う。でも、私で良いのか分からない。


「でもね、海斗君は…………本当の私を知らないと思うんだ…」


「本当の千夏は、私が知ってる?」


今まで誰にも話したことがないし…


「…ううん。」


香は少し驚いた顔をした。ごめんね、香。