チュンチュン………



「んっ……朝かぁ」


異様に重い瞼を擦りながら、階段を降りた。

トントントントン…


「おはよう千夏。………あらまぁ!!千夏!」

「へ?」


お母さんが朝食の準備を中断して、目を丸くして私の顔をみた。


「なんか…ついてる?」

「どうしたの?!その真っ赤な目は!!!
ちょっと顔を洗ってきなさい!」


ああ。そういえば泣いたんだっけ?



「うん…」


ジャージャー


顔を洗った私に、お母さんは保冷剤を押し付けてきた。


「ぎゃぁ!!!冷た!!」

「いいから!とりあえず冷やして!」



お母さんは少し過保護だ。愛情を注いでくれたお母さんにも私は少し罪悪感を覚えた。



ごめんね…お母さん。


腫れが引いたから、学校に向かった。