「おーい!ちーなーつー!」



パタパタパタ



「やっと終わったねー始業式!千夏さぁ寝てたでしょ?」



始業式が終わり、待ってましたと言わんばかりに、辺りが騒がしくなる。



私『栗林千夏』は只今高2!
夏休みが終わり2学期が始まった。



親友の住吉香が私を見つけて、話しかけてきた。



「んー…寝てたというか、ボーッとしてたよ」



香の少し小悪魔的な笑みに、
流石年上の彼氏をゲットだけあると感心していた。



「なーにー?人の顔をジロジロみちゃって


「別にー?彼氏がいて良いなーって思ってさ」



そう。周りは共学であるチャンスを逃がさんとばかりに、
どんどん彼氏彼女を作っていると言うのに、
私には彼氏がいない。



「彼氏って良いもんだよ?
千夏も早くつくればいいじゃない」



そりゃ、共学だし何回かは告白されたことはあるけど…



「なんかこう……ズッキューンってこないんだもん!」

「ズッキューンかぁ…………
あっ!つまり、ちょっと刺激的が良いってことか!」

「そうそう!なんか皆一緒にみえるんだもん!」




そんな他愛のない話をしていたら、



「おーい、香!」

「あっ!有先輩っ」



廊下の向こうで背が高くて優しい、
香の彼氏さん『青山 有』先輩が手を振っていた。