魔女の小さな手の上で

「あの」

私が思い出そうと眉根を寄せていると遠慮がちにティスカが話し掛けてきた。

「どうした？」

「そんな無理に思い出そうとしなくていいと思います」


「しかし」

こんな小さな家に私のような大の大人が居ては邪魔だろう

「怪我治るまでいてください」

何故だかお願いされている様に捉えるのは私は良いように捉えすぎだろうか。

「全然邪魔じゃないですし、もう少し居て欲しいのでお願いしたんです」



まるで私の心を読んだように掛けてきた言葉に少し目を開く。