次の日

「おい」

「……ん?」

「さっさと起きろ」

「い゛っ!」

シュシュの鋭い爪付猫パンチで叩き起こされた。


「おはよう」

「ふん」

窓のカーテンはすでに開けられてあり、そこから見える外はまだ朝霧に包まれている


「ティスカの姿が見当たらないが」

この小さい家にチラリとも姿が見えない。

「あの子なら朝一番に薬草とハーブ摘みに行ったよ」

「一人で行ったのか?」

「そうさ、こんな森の奥に人なんて居ないからね」

しかし一人で森の中は危険じゃないだろうか

そう思案していたらシュシュが考えている事を察知したのか口を開いた。

「もう何年もやってる事だから心配する事は無いよ、だいたいこの森の住人はティスカに甘いからな」


住人?人は居ないんじゃなかったのではないか?

「ティスカが帰ってきたら朝食だな」

シュシュが言うとタイミングよく草をサクサク踏み分ける音がしガチャリとドアが開いた。