「ちょっとどうしたの?」


鬱蒼と生い茂る森の中を黒い飾り気の無いシンプルなワンピースを着た一人の少女が草を掻き分けて突き進んでいた。

時折頭上を見上げては自分が進んでいる道は正しいのか確認し半ば走ってるのに近い速度で歩いていた。


木々の隙間からは太陽の木漏れ日が漏れ穏やかな静寂が辺りを包んでいた。


バサリと羽音が聞こえると少女の頭上を一羽の大きな真っ白い鳥が通り過ぎる。

「やっと到着かな」


突き進んでいた先には開けた場所がありそこに先ほどの巨大な鳥が舞い降りた。

「シルヴィーどうしたの?」

一羽の鳥に話し掛ける少女、鳥はそのしなやかなシミ一つ無い白い翼を広げ何かを守る様に囲う

「クゥェ~」

「?」


ガサガサと草を踏み分け広場にたどり着き鳥の下にたどり着く


鳥は翼を少し開け少女はその隙間から中を見る


「…………嘘、人だ」

そこには少女が何年も触れあうことが無かった人が傷だらけで倒れていた。