『また私の勝ちですネ!!』
『麗華ちゃん強いよっ』
『せや!次はまけへんで!!!!!』
『そう簡単に負けませんヨ!!』
何で、何で、
ルイカンドはそのまま部屋を後にし、ドアに背をつきながら、空に浮かぶ月を切なく見た。
アイツは、どうして、俺を見るとおびえてばっかだ…
一瞬にして、心を奪われた、どうしようもない独占力に包まれた。
俺のものにしたい。
傷つけるつもりはなかったんだ…
大事にしたいだけなんだ、俺のそばで……
ルイカンドは救急箱からバンソーコーをとると、部屋にもどった。
ッッッ!!!!
「麗…華?
麗華!!!麗華!!!!!」
俺は麗華を抱き上げ、ベットに優しく寝かせ、布団をかけた。
そして切れた口に用意したバンソーコを貼って、枕元に水を用意した。
貧血か?それとも、船酔いか?
この環境が体に悪かったから…か?
「お願いだ、無事でいてくれ、
麗華ッ」
お願いだから、もうわがままいわねぇ、
お前をみてるだけでいい、俺の横にいなくても、笑ってくれればそれでいい、だから、
目をさましてくれ…
麗華…
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