職員室に入ると一気に空気が変わった。

「はい。これがクラス分の資料だから。」

職員室だからかさっきより声のボリュームが低い。

「はい。じゃあ持っていきますね。」

そう言って職員室を出ようとしたとき聞こえたんだ。

理科の美人な先生の朝田先生と話してる内容が…。

これを聞かなかったら気づかなかったのかな??

恋を…

「俊太先生、今日の夜ってあいてますか??」

「はい、あいてますよ。」

それを聞いて朝田先生は嬉しそうにして先生を食事に誘った。

もちろん先生も〝いいですよ〟と優しい声で言った。

ズキン…
胸が苦しくなった。

ガラッ、
ピシャン…

あたしは職員室を出た。

この時はまだ気づいてなかった。

この胸の痛みが何なのかも。

恋なんてもの知らなかったんだから。

今思えばこれがあたしの初恋だったんだね…

先生…。

それにあたしは初恋で本気の恋…愛を知った。

先生、ありがとう。