「目、閉じて…」

「うん。」

あたしは目を閉じた。

指に冷たい何かがあたった。

あとは俊太の手の温もり。

「…俊太??」

「ん…もういいよ。」

あたしは目を開けた瞬間
涙が溢れた。

だって…
こんなのはじめてだし。

「俊太っ…
この指輪あたしに??」

そう聞くと俊太は
少し照れながら言った。

「おー…。」

「ありがとっ…
ありがとう…!」

あたしは
ただただありがとう
と言った。

俊太…
本当にありがとう。