「美桜ーっ!!」

「わあっ、花怜かあ。誰かと思ったー。」

そりゃ誰かと思うよね。
だっていきなり後ろからだきついてきたんだもん。

「えへへー、おはよっ」

「おはよっ。」

それから2人で廊下を歩きながら話していたら、大きな声でおはよー、と言っている人の声が聞こえた。

それはとても穏やかな挨拶だった。

優しい口調で、眠そうに言う挨拶。

あたしは後ろを振り返った。

ほら、やっぱりあなただ。

顔なんか見なくても声を聞いたらわかる。

好きな人の声くらい。

「おっ、高橋おはよー。」

「おはよー…ございます。」

そう言うと花怜が
「えー、あたしもいるのに高橋おはよーって!あたしもいますよーっ」

花怜が怒ったように言うと先生が
「悪い悪い♪許してくれっ」
って言った。

嬉しかった。
あたしだけにおはようって言ってくれたの。

昨日、言ったことで嫌われたらどうしよって思ってたから…

先生すき。

好きって気持ちが溢れちゃいそうだよ…。