「は?
 お前、なめてんの?」


なめてません。

そんな恐れ多くも、天下の
菊池先輩を…。

ただ、だからあたしなんかと
パートナーはやめて、もっと
上手な人と……

 「嫌だ」

もごもごと言うあたしを、
うっとうしそうにして先輩は
言った。

 「俺は1回決めたことを
 変更するのは嫌いだ」

 「や、けどあたしじゃ、
 全然力量ぶそ……」


ダンッ

 「ひゃ…っ」


突然、先輩はピアノに手を
ついた。

 「もごもご言うな。
 いいか…?もう俺には今さら
 変更する気は0だ

 わかったか?」



そして。

あたしはわからなかった(と
いうか納得できなかった)ので
ベランダから逃げ出した。

部屋は2階だったけど、
とりあえず飛び降りて逃げた。

そしたら、なんと先輩は追い
かけてきた。