「そ、それであの。『No.6666』についてですが……」

「ベリルだよ」
「え?」

 ベルハース教授は立ち止まりマークに言い聞かせるように再度、発する。

「ベリルだ。我々が名付けた」
「はあ」

 彼が理解したと感じてまた歩き出す。

「『キメラ』でも良かったのだがね。俗物的な名前は気にくわない。やはりここはちゃんとした名前を付けるべきだ。そう思わんかね?」

 笑いながら語った教授だがマークの意見を聞くつもりは無いらしい。

「……?」

 ベリル、何故そんな名前を……? 考えながら歩くマークにベルハース教授は少し嬉しそうに口を開いた。

「ちゃんとフルネームを付けてあげたのだよ」

「フルネーム……ですか?」