マークと別れたあとベリルはメモに記された場所を訪れる。

 広大な敷地にぽつんと一角だけ他とは違う雰囲気の墓石が建ち並んでいた。

「……」

 死んだ場所も年月も記されておらず。

 ただ名前だけが墓石に刻まれていた。

「ブルー……」

 ベリルは建ち並ぶ墓石に目を細める。

 涙は出なかった。代わりに胸が締め付けられる。

「……っ」

 はき出せない苦しみにベリルは胸を強く掴んだ。

 微かに震える体は今にも崩れそうに弱しく立ちつくす。