「ああそうだ」
「?」

 マークは思い出したようにつぶやくとメモに何か書き始めた。

 それをベリルに手渡す。

「……墓地?」
「彼らに会いたいだろう?」

「!」

 一瞬ベリルの表情が曇る。

「本当はもっと早くあなたに会いたかったのですが」

「監視が邪魔だったろ」

「ええ。やっといなくなったのでようやく会う事が出来ました」

「30年……か。長かったな」
「そう、長かった」

 2人はしばらく沈黙した。

 互いの視線を交わしそれだけで30年という長い時間を縮めた。

「恋人はいるのかい?」
「! 恋人? いません」