マークはベリルの話に聞き入る。

 信じられない内容に驚き、時には笑いを挟みながら。

「ふうむ、不死を与える力を持った者……そんな人間がいたとは」

「それを使えるのは1度だけらしくてね。今はただの人間だよ」

「まさか逃げた後に傭兵をしているとは思わなかったよ」

「私にはそれが適正だったらしい」

「……」

 ブランデーを傾けるベリルを見つめるマーク。

 こんな時間が与えられようとは……マークは神に感謝したくなった。

「! おい、もしかして」
「ん?」

「我が国からも君に要請が来たり。するのか……?」

 その問いかけに、ベリルはニヤリと口の端をつり上げてグラスを軽く掲げた。

「プッククク……そうか」

 マークは頭を抱えて笑った。