数十分後──

「はあ、はぁ、は……っ」

 走り回るマークに兵士たちは怪訝な表情を浮かべる。

 さすがに走りすぎて疲れたのかマークは通路の壁に右肘を付いて大きく溜息を吐き出した。

「ふ、ははは……」

 そして笑い出す。笑いながら歩き出し外に出た。

森に囲まれた施設、晴れた空がマークを迎える。

 涼やかな風を全身に受けマークはへたり込んだ。

「!」

 その隣にあの花があった。

「ベリル……生きてるんだな。逃げ延びたんだな」

 小さな花を手にとってマークは確信した声になる。