「ベリル!」

 マークはようやく救援に向かった軍のヘリに同行した。

「どこだ!?  返事をしてくれっ」

 マークは必死に探し回る。

「ベリ……ル」

 まさか奴らに連れ去られたのか? 彼はモルモットにされるのか?

 そんな事、許さない。

 荒い息を整えながら宙を睨み付けた。

 まだ肌寒いこの季節、放置されていた遺体はあまり腐蝕していない。

 広い敷地を見回ったがベリルの遺体は無かった。