「! これが……?」
「ああ、そうだよ」

 12歳になったベリルはマークが持ってきたアルバムを食い入るように見つめた。

 チェックの時に止められるかもしれないと思ったが意外とあっさりOKが出た。

「……」

 じっくりと眺めるベリルになんだか恥ずかしい気分になる。

「……楽しいかい?」

 聞かれてベリルはマークに顔を向けた。

「ええ、とても」

 その目は今までで一番輝いて見えた。

 こんな風に他人の写真を見る人なんていただろうか? どうしてベリルは……?

「!?」

 そうか……彼には家族はない。それ処か普通に生まれてすらない。

 照れた顔の自分を映してくれる相手などいないのだ。

「これはどういった時のものですか?」
「ああ、これはね」