「……」

 マークは科学者が集まる部屋でベリルの部屋の監視カメラの画像を見つめる。

「こうやって目の前で見てもまだ信じられない……」

 青年の言葉に他の科学者が笑った。

「造った我々も9年たった今でもまだ実感が湧かないよ。何せ我々とどこも変わらないのだからね」

 それは『ほぼ完璧に成功した』という事を示すものだがその後が一向に成功しない。

 偶然の産物なのか神のいたずらなのか……ベリルについて気になった事といえばあのしゃべり方だ。

 とても9歳の子どもの言動とは思えない。

 落ち着き払った紳士的な言葉遣いと言えばいいのだろうか……寛大かつ尊大な口調なのだ。悪く言えばジジ臭い。

 ベルハース教授が招いた言語学者が教えたそうだが、何故あのようなしゃべり方を教えたのか……その言語学者は心臓発作ですでに他界していて真相は掴めないままとなっていた。

 今は他の言語学者が彼の教育に努めている。

 今更、変えようが無く問題は無いため放置する事となった。