「……………ん」
目を開けた。
重くてしっかり開かないまぶたをこじ開けて、ケータイの時計を見る。
──・・・午後六時過ぎ。
寝てから約三時間立つ。
昼を食べていないせいか、急にお腹が鳴る。
「飯……」
何か食うものを求めて、財布を無造作に掴む。
ゆっくり歩いて、部屋のドアを開けようとしたとき、
「涙、ご飯だよ」
と、櫂兄のこもった声が聞こえた。
──・・・ご飯?
んなもんご飯じゃねえよ。
ニセモノだ。
「…いらない」
自分はそう言った。
そしてドアを開ける。
遥かに背が高い櫂兄と、パチッと目が合った。
「…どこ行くの?」
「飯、買いに」
あいつの料理なんて食うか。


