「……ただいま」 素っ気なく言い捨てて、そのまま部屋に直行する。 と、そのとき 「ねえ、涙、」 後ろから、櫂兄に呼ばれた。 「……ん?」 「夏休み、花火行こっか」 ──・・・花火? 「……花火…?」 「前住んでたとこ、有名な花火大会があるんだ」 櫂兄は嬉しそうに笑いながら 「ねっ!!行こっ!!」 と言った。 「…………うん」 やだ、って言ったら面倒なことになりそうだから うん、って 言っとこ。