「……緊張するほどの学校じゃないよ」 学校なんか行かせられているだけだ。 「そんなことないよ? いい学校だって聞いてるから」 「……ふーん」 名字が変わった、それを言わなきゃ。 ──・・・面倒。 「涙、急ごっか」 7月下旬、あと一週間の学校。 照りつける太陽。 汗が滲むほどに暑い。