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夜、
目を瞑って、緊張して眠れない体を無理矢理にでも眠らそうとしていた。
だけどケータイの着信音で目を開けた。
普通なら怒るとこだけど
ディスプレイが櫂兄だから嬉しくなる。
「…はい」
「涙?…ごめん、起こしちゃった?」
「ううん、大丈夫」
「夜遅くにごめんな」
櫂兄の声が聞けたから、ちゃんと眠れそう。
「……明日、だって?」
「…うん」
ケータイから、櫂兄のため息。
「……頑張ろう、涙」
「…うん」
「大丈夫だから」
「…うん」
櫂兄の大丈夫は
緊張をほぐしてくれる。
「……会いたい」
あ、また自分言っちゃった。
──・・・けど違った。
自分の声じゃない。
「……涙に会いたい」
「…うん」
“自分も”、そう頷く度に
涙が溢れた。


