目を開けたとき頬が濡れていた。 ──・・・異常だな。 それだけ櫂兄が愛しいのか? 自分が思ってる以上に、自分は櫂兄が好きみたいだった。 ──・・・笑える。 「……はぁ」 ため息一つ、 花瓶に差した、花一輪。 外はもう、肌寒い季節を通り越していた。 ──真冬。