ポンと、櫂兄の手が頭に乗る。 「……涙、あのさ」 話し始めた櫂兄に視線を向ける。 「クリスマス、夕方行くから待っててよ」 ──・・・クリスマス。 いままでのクリスマスは夜通し遊んでた。 愁と、早妃と、和真と、四人で。 「……うん」 そんなこと、考えながら返事をした。 櫂兄は微笑みながら、再び頭を撫でてくれた。