────── 「……じゃ、涙、また来るねー」 早妃が立ち上がって、歩きだそうとしたとき、 「……?」 早妃が、愁になにか言った。 よくわからなかったけど。 首を傾げると、何故か早妃だけが出て行った。 愁は立ち尽くしたままで。 「…愁、帰んないの?」 そう訊けば、 「……涙、さっきの話、だけど」 ──・・・さっきの話? ああ、あれか。 『………俺ってなに?』 自分にとって、愁って? そんなの、友達に決まってる。