『……生まれてこなきゃ、よかったんだ……』 その言葉に無性に虚しくなって、思わず下唇を噛んだ。 櫂兄、 教えてよ。 「……もうイヤだ…」 ──・・・辛いのはイヤ。 痛いのはイヤ。 苦しいのもイヤ。 生きるのも、死ぬのも。 どっちもイヤだ。 頬を伝う涙。 生温い涙が、頬をくすぐる。 その涙を、拭おうとした。 そのとき、 ──・・・櫂兄が座っていたイスが、ガタンと音を立てて倒れた。 「……涙、」 突然、耳元で櫂兄の声がして、 ゆっくり背中に、櫂兄の腕が回された。