「……なんで、」
色褪せたカーテンが、秋風に吹かれてふわふわと動く。
「…なんで、生まれたんだろう」
すごく小さく自分の疑問が響いて、宙に浮いた。
──・・・揺れる視界。
歪む世界。
世界はこんなにも汚くて、
こんなにも色褪せていて。
「……こんなんに…、なるなら」
──・・・それは、
この世に生を受けた生物は絶対に言ってはいけない言葉だと知っていた。
知ってたんだ。
知ってるんだけど。
「…生まれてこなきゃ、よかったんだ……」
なんて最低なことを言ったんだろう。
なんて残酷なことを言ったんだろう。
言ったのは自分。
なのに、
なんでこんなに虚しくなるんだろう。


