白い紙袋から出たのは、
「……リストバンド?」
今してる真っ黒のリストバンドとは正反対の、白い生地に、水色のラインが端と端に通っているリストバンド。
「誕生日、おめでとう」
優しく微笑む櫂兄。
──・・・そっか。
今日、誕生日だったんだ。
すっかり忘れてた。
「…安物でごめんな」
白いリストバンドを手に持ったまま、櫂兄は俯く。
「……ありがとう」
そう言うと、櫂兄は黒いリストバンドをゆっくり外してくれた。
そして手に持っていた白いリストバンドを、腕に着けてくれる。
「涙にはこの色が似合うよ」
すっぽりはまったリストバンドでキズ痕を隠して、手を握ってくれる。
温もりが伝わってきて、温かかった。
「……もう10月だったんだね」
入院してから既に、一ヶ月以上経っていた。
「うん、時が過ぎるのは早いな」
櫂兄は頷いた。
そしてあることを思う。
「……櫂兄の誕生日は?」
「俺は12月」
──・・・12月?
なら
「……今は歳一緒なんだね」
同じ16歳。
「二ヶ月限定な」
クスリと櫂兄が笑う。


