「…………」
リストバンドを外したまま、そのキズを見つめていた。
──・・・今思えば、
このキズ痕、絶対に無駄にはしていない。
「……生きなきゃ」
人の気配のない共同の病室。
揺れるカーテン。
キラッと光る点滴針。
もう見慣れた景色だ。
「敷浪さーん」
名前を呼ばれて、点滴を引っ張って、阿藤先生の元へ。
「……失礼します」
「どうぞ」
いつもみたいに微笑む。
その微笑みに、すこし戸惑う。
「……今日は?」
「副作用、どう?ちょっときついかな」
──・・・ちょっと?
ちょっとどころじゃない。
すごくつらいんだよ。


