ベッドに横たわったまま、そう思っていた。
早く学校の終わる時間になってほしい。
純粋にそう思った。
久しぶりに、真っ黒のリストバンドを握る。
もう痛みはなかった。
「…………」
そっと外してみる。
白い肌に、ほんのり膨れ上がった赤の線。
それが何本も何本も重なって。
うまく血管の近くを避けて切ってある。
こんなことをしていたなら、そのときに既に死んでりゃよかった。
手首の血管を切って、いま亡き人になっていたら、
櫂兄に会うことも、
自分で自分の病気を知ることも、
ぜんぶなかっただろうに。
それでも、
切ってでも、いま生きているのはきっと、
“死にたくない”
そう思っているから。
そう思っていたから。


