────── 消灯の時間。 自分はまだ、眠りに就けないでいた。 いくら目を瞑っても、パッと覚めてしまう。 「…………」 無造作にケータイを取り出した。 画面が明るい光を放つ。 そして電話帳を開く。 ──・・・そういえば、 自分から櫂兄に電話掛けたこと、なかったよな。 か行へ移動すれば、櫂兄が一番上にきていた。 いつも櫂兄が掛けてきてくれた。 自分から掛けたこと、ないな。 一瞬、掛けようと思ったけどやめた。 こんな時間に掛けたらきっと迷惑だと思うし。 少し、緊張したし。