カッターナイフは、今の自分には必要ない。 でもあの時は必要不可欠だった。 制服のポケットの中にはカッターナイフ。 それが普通の生活だった。 「これも、……いいや」 カッターナイフからも卒業しよう。 小汚いダンボールに。 そっからちゃんと分けて、荷物は大体片付いた。 「よし」 この家からも、サヨナラだ。