初冬ともなればダウンジャケットが必須になってくる季節で、ユニクロのプレミアムフェアにお世話になる季節でもある。

わかるでしょう?

そんな中、ぼくはというと。

「いや、ほんと。お願い。これマジ一生のお願い。ダウンジャケットが欲しい! ほんと、お願いだから、」

必死で父親に懇願していた。

「そんなことを言っても、去年まで使っていたアレがあるじゃないか」

アレ、と指差された先には、

「……うへえ、」
おおよそ嘆息を漏らすしか無いレベルのデザインを施された、父親のお下がりジャケット。いくら趣味がサバイバルゲームだからって、私服にまで迷彩を持ち込むな。

いや、まあ。
いくらそのことを言及したところで、「だったら着なければいい」と保護者としての決定権を行使されるだけだと分かりきっていたことなので、これまで甘受してきたのだけれど。

……でも。