「俺にしたら?俺だったら傷つけたりしないし。」
抱きしめられてる…?
いまいち回らない頭で考る

ぎゅぅ。
さっきよりも強くなった抱きしめられてる強さが。
「なに…ぃってん…の」

「ずっと…ずっと好きだった。」

「?」

「会ったときから今までずっと。」

「……ぇっ」

「気づいてなかっただろ??」

「ぅ…んっ」

「知らなかったのは本人くらいだよ。」

「ぇ……。」

ぎゅぅうう

「ぃたい……」

「もう無理。抑えられない…」


「おいッ!!」

「?」
もっと回らなくなった頭でこの声が誰なのか
考える。

「おいッ」

「!!す…がわ…ら?」

「…なにしてんの??」

涙で見えないけど声で分かる
怒ってる。

「…見て分からない?」

「は?」

「渚を奪ってんのお前から。」

(へ??なぎ??いつも川北じゃん…)

「は?」

「俺だってお前より前から好きだった。」

「…」

「それを突然取られて泣かされて。」

「離せ。」

「渚。俺の気持ちは言ったから。」