「なんでもない」 振り返り,歩き出す。 「そろそろ帰るね」 「えっ,もう帰るのかよ」 「今日はテスト一週間前だよ」 「いぃじゃんべつに」 「俺は十座みたいに頭よくないから,勉強しなきゃいけないんだよ!」 珍しく嫌みなことを言う天寺。 そのまま天寺は,じゃあねと言って帰っていった。 十座は前髪をくしゃっと掻き分けた。 和良は隣で,彼を見つめていた。