毎日,多分十座が気が付くずっと前から,天寺はグラウンドを眺めていたのだろう。 だが,今こうして十座と話をすることで,天寺のなかに溜まっていた想いが,溢れ出したのだろう。 「やりたいから,我慢するの止める」 「…」 「じゃあ」 走り去ろうとした天寺の名を,十座が呼んだ。 「天寺ィ!一緒に野球やろうな!」 朝から近所迷惑だと思ったが,今のふたりには,そんな言葉は出てこなかった。