そこには,打席で呆然と,打球の行方を見つめている打者と, マウンドで膝に手をつき,うなだれるような格好をしている投手, 必死でボールをキャッチしようと走る外野手。 それ以外の動きは,止まっているように見えた。 「はいった」 もう一度,さっきと同じ選手が口を開く。 その言葉とほぼ同時に,打球はスタンドへ吸い込まれていった。