【長編】sadist and masochist love stories

-トントンッ


「はい?」


「お母さんだけど、入っていい?」


「うん。
どうぞ。」


母さんは、湊司の返事を聞くと部屋にはいった。



「あっ!?
陽生もいるのね。
ちょうど、よかったわ。」


気のせいかな?


母さんの笑顔が黒い気がする。


てか、湊司は、顔がひきつってる。


まあ、湊司は、敏感だから。


やっぱり、黒いんだ。


「母さん、どうかしたの?」


俺は、いつものように知らないふりして聞くんだ。


それが、一番だと気づいたときからそうしている。


「さっきの気になってるんじゃないかと思って。」


そういいながら、イスに座った。


「父さんに冷たかったことか?」


「そうよ。」


「わざとだろ?」


湊司は、わかるんだよな。


「わざとだったの?」


俺は、全く気づかなかった。