「参ったね、感動の再会になる予定だったっていうのに」

はぁ、とため息をつくその人物は、くすくすと笑いながら2人に近づいてきた。

「右によけろ」

「え?」

稜夜に言われて右に体を傾けた瞬間、腕にチリッと痛みが走った。

「いた!」

思わず腕を押さえる。
振り返ると、そこには1人の人影が見えた。
フードをかぶっているせいで、月明かりで顔の部分が陰になっており、誰なのかは判別がつかない。

「離れなさいよ!」

どこかで聞き覚えのある女の子の声。
唯の体がびくっと震えた。

「どうして昔っからあんたは私の邪魔ばっかりするのよ!そうやって、いつも私の欲しいものを全部あんたは奪っていく!」

ヒステリックに叫ぶその声に、唯は目を丸くした。

「まさか…葵先輩?」

口元がつりあがり、にぃっと不気味な笑みをたたえている。
唯は鳥肌が立った。

「あんた、ほんっと目障り」

そういってまゆは手をゆっくりと上げる。銃口がきらりと鈍く光った。



――――殺される!



そう思った時だった。