Symphony V

と、そのとき、警察官の服が綺麗にたたまれた状態でソファの上に1セット置かれているのを見つけた。


…え?なんでこんなとこに警察の制服があるの?


意味がわからず首を傾げる。
が。


これって、もしかしてチャンス!?


唯はそっとあたりを見回した後、誰も見ていないのを確かめると、制服を持ってすかさずトイレに駆け込んだ。


み、みられてないよね!?


ばくばくと大きく音を立てる心臓に、深呼吸を数回してやる。
気持ち、少しだけ落ち着いたのを確認すると、唯は急いで服を着替えた。着ていた服は、トイレの中にある吊棚の中へと隠す。


これで大丈夫…かな。


唯は一抹の不安を覚えながらも、そっとトイレを出た。


あんまりきょどってたら、逆に怪しいよね。


こういうときは逆に堂々と。
なんかのテレビで言ってた気がする。

そう思って、唯は背筋を伸ばして玄関へと向かった。