紅の系譜

「!?・・・・・・環さん?・・・・ねえ、環さんなの・・・・?!」


黒い髪、スラっとした立ち姿、透きとおった瞳。


間違いなく、私の目の前にいる人は環さん本人だった。


「チ・・・・。余計なことしてくれたな。」


「?!」


でも、私の知っている環さんとは、雰囲気が違う。どことなく、目もとが厳しくなっているし、声や姿は同じだけどしゃべり方や態度が全く違う。


「アンタ、話は後だ。電気をすぐに消せ。奴らに感づかれた可能性がある。」


「え・・・?」