紅の系譜

ジメジメした空気、暗い建物の中。目を隠していても、どんなところを歩いているのか想像がついた。


時々、ガラスを踏む音もする。


錆びた鉄の匂いが鼻をつく。


目的地についたのか、重い扉がギギ…と空いて、中に乱暴に放り込まれた。