紅の系譜

「紅葉は?進学するとかもう決めてるのかな。」

「そうだね、今のところ大学に行けたらいいなとは思ってる、かな。
ただ、何がやりたいとか、どんなことに興味があるとか、まだよくわからなくて。」


「俺も2年のころなんて、どんなことがやりたいとかわからなかったよ。
ヘタしたら、今でもわかってないかも。」


「えっ、環さんでも迷ったりわからないときとかあるの?」


「それはもちろんあるよ。俺は、万能でもないし、それどころか欠陥だらけだからね。」


「それってどういう・・・・。」


謙遜とかで、こういう言葉を使うとはあまり思えない。
私はなんとなく、違和感を覚えた。